2026年5月26日 | ごとう事務所(熊本)
「社長が引退するので息子に会社を継がせたい」「個人から法人に変えたい」——建設業では、このような場合に許可が自動的に引き継がれるわけではありません。ケースによって対応が大きく異なります。
令和2年10月の改正建設業法により、合併・分割・相続による事業承継の場合に事前認可(事業承継認可)制度が導入されました。この制度を利用すると、承継後も許可が継続します。
A社とB社が合併してC社になる場合。事前に認可申請すれば、合併後もA社の許可がC社に引き継がれます。
会社を分割して建設業を新会社に移す場合。分割計画書を添付した認可申請で許可を引き継げます。
個人許可の事業主が死亡した場合、相続人が認可申請をすれば許可を引き継ぐことができます。
個人の許可は法人に引き継げません。法人として新規に許可申請が必要です。要件を満たせば通常より早く取得できる場合もあります。
株式をすべて売却して経営者が変わる場合でも、許可はその法人に帰属するためそのまま継続します。ただし役員・経管・専技の変更届が必要です。
代表が変わるだけなら許可はそのまま継続しますが、経管(経営業務管理責任者)の変更届が2週間以内に必要です。後任の経管要件を事前に確認してください。
合併・分割・相続のいずれかを確認し、行政書士・司法書士に相談します。登記手続きと許可手続きを並行して進める必要があります。
合併・分割の場合は効力発生日の前日までに認可申請が必要です。相続の場合は死亡後30日以内に申請します。熊本県庁 監理課への窓口申請です。
承継後の法人が許可要件(経管・専技・財産的基礎など)を満たしているか審査されます。要件不足があると認可が下りないため事前準備が重要です。
承継完了後、商号・役員・経管・専技などの変更届が必要です。許可証も書き換えが必要で、発行まで数週間かかります。
建設業を廃業する場合は、廃業後30日以内に廃業届(許可取消の届出)を提出します。
| 廃業理由 | 届出期限 | 手続き |
|---|---|---|
| 法人の解散 | 解散後30日以内 | 廃業届(解散を証明する書類添付) |
| 個人事業主の死亡 | 死亡後30日以内 | 相続人が廃業届または承継認可申請 |
| 許可の取消し希望 | 廃業後30日以内 | 廃業届(事業縮小等で不要になった場合) |
| 個人→法人化 | 法人設立後速やかに | 個人許可の廃業届+法人として新規申請 |
廃業届を提出しないまま許可が失効すると、更新手続きが必要な状態のまま放置されます。次に別の法人で許可を取る際や、役員の欠格要件確認の際に問題が生じるケースがあります。
個人許可の有効期限が近い場合、法人化後の新規申請審査期間(約2週間)を考慮したスケジュールを組む必要があります。許可が切れると空白期間が生じ、工事を受注できなくなります。