建設業界では、これまで社会保険に未加入の企業が存在し、若者入職者減少の一因となっていほか、関係法例を順守して適正に法定福利費を負担する事業者ほど競争上不利になるという矛盾した状況が生じていたため、2021年11月以降、許可申請書に「健康保険等の加入状況」が必要になりました。また、加入義務のある場合には、社会保険の加入を証する書類を添付しなければ許可権者から指導を受けることなりました。(2020年10月からは絶対義務となっております)なお、公共事業労働費調査によると、2017年10月時点での企業別の社会保険加入状況は97%です。(2022年7月現在は未加入では許可取得できない)
社会保険の加入を証する書類の代表的なものは、年金事務所発行の健康保険・厚生年金保険料の領収証、労働保険概算・確定保険料申告書、領収書があげられますが、各企業の加入状況により異なります。
社会保険(健康保険)は強制加入(個人事業者の従業員5人未満は任意加入)ですから、当然加入しておく必要があります。
また、雇用保険は従業員が1名以上いる場合、法人・個人を問わず強制加入ですので、法人ならばほとんどの場合は健康保険、厚生年金、雇用保険のいずれにも加入する必要があります。
雇用保険は、法人役員や個人事業主本人および家族は原則として加入できませんが、例外的に、法人の役員や個人事業主本人の家族で、労働者としての身分を有し、従業員給与が支給されていると認められる場合は加入できることがあります。
新設法人の場合、設立後すぐに社会保険の加入手続きを行っても、審査結果が得られるまで1か月前後かかることがありますので、このような場合、許可申請時点では社会保険に加入した書類が用意できなくても、書類到達後すぐに変更届を提出すればよいとされています。
(但し、申請窓口により書類確認後でなければ受理されない場合もあります。)
また、「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の常勤性を証する書類は、申請窓口により異なるものの、社会保険の加入を証する書類、住民税の特別徴収税額決定通知書などで該当者の名前が確認できるものを求められます。(都道府県担当部局によって取扱いが異なるので、申請窓口や最寄りの行政書士などに確認すると良いでしょう)