専任技術者の実務経験とは

一般の建設業許可において、許可を受けようとする業種について高校の所定学科卒業後、5年以上の実務経験を有するもの、大学の所定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者、又は10年以上の実務経験を有する者は許可要件の1つである営業所ごとに置く「専任技術者」となる資格を有します。

実務経験の期間は具体的に建設業の工事に携わった実務の経験で、当該建設工事に係る経験期間を積み上げて合算して得た期間とされています。さらに、電気工事および消防施設工事のうち、電気工事士免状、消防設備士免状などの交付を受けた者でなければ直接従事することが出来ない工事に従事した経験については、免状の交付を受けたものとして従事した実務の経験に限り期間に算入することが出来ます。
建設リサイクル法施工後の解体工事に係る経験はとび・土工工事許可又は解体工事業登録で請け負ったものに限り経験期間に算入することが出来るとされております。
なお、一部の業種については許可を受けようとする業種について8年を超える実務経験と、その他の業種の実務経験を合算して12年以上あれば、営業所ごとに置く「専任技術者」となる資格を有する事が出来ます。

実務経験の要件緩和を認める業種の範囲
許可を受けようとする業種について8年を超える実務経験と、その他の業種の実務経験を合算して12年以上あれば、専任技術者の資格を取ることが出来ます。具体的には次のA・B・C・Dの4パターンについて実務経験の振り替えが認められます。
A
土木一式工事
「とび・土工・コンクリート」「しゅんせつ」「水道施設」工事業
 土木一式工事と申請業種の実務経験を合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合。
B
建築一式工事

「大工」「内装仕上げ」工事業
建築一式工事と申請業種の実務経験を合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合、
及び大工工事業または内装仕上げ工事業の実務経験と合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年
を超える場合。

C
建築一式工事
「屋根」「ガラス」「防水」「熱絶縁」工事
建築一式工事と申請業種の実務経験を合算して12年以上有し、申請業種の実務経験8年を超える場合。
D
土木一式工事
「解体」
土木一式工事、建築一式工事業又はとび・土工コンクリート工事業と解体工事業の実務経験を合算して
12年以上有し、解体工事業の実務経験を8年以上を超える場合。

様々なパターンで専任技術者の許可要件を満たしますが、基本的には特定の資格又は10年以上の実務要件を必要としますので、経営業務の管理責任者よりもハードルが高いと言えます。
また営業所にこの技術者が欠けたときなどの対処も必要となりますので、十分な検討を行ったうえで備えることが大切です。