経営業務の管理責任者が欠けたら

建設業における「経営業務の管理責任者」が死亡や退社などで欠けた場合代わりのものがいるときには、「専任技術者」同様に2週間以内に「経営業務の管理責任者」の変更届を行います。
いないときには、欠けたことを理由として「届出書」により「廃業届」を提出します。このようなケースに備えて役員中に要件を満たす者を確保しておく必要があります。また外部から要件を満たす者を招く場合には、役員就任させ、社会保険加入させるなど常勤性が確認証明できるようにしたうえで、2週間以内に許可行政庁へ届け出なければなりません。

許可を満たす役員が社内にいる、または外部から招く場合

建設業の業務について5年以上役員として登記されているものがいれば、前任者が役員を「退任(辞任」して2週間以内に届け出ます。
外部から役員を招いた場合は、役員に就任させるとともに「経営業務の管理責任者」に就任させます。
このケースの「退任」「就任」とは登記日ではなく辞任届日や就任承諾日になります。
(登記日や社会保険取得日についても厳格に問われるため注意が必要です)

一方で建設業で5年以上役員として登記されている者がいない場合でも、経営業務の管理責任者に準ずる地位としての経験が認められる場合があります。(建設業法施行規則第7条)
個人事業主の場合は事業主の配偶者や子息などの事業承継者がこれに該当します。


(法第七条第一号の基準)
七条 法第七条第一号の国土交通省令で定める基準は、次のとおりとする。 次のいずれかに該当するものであること。
 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
(1) 建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
(2) 建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者
(3) 建設業に関し六年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者
 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であつて、かつ、財務管理の業務経験(許可を受けている建設業者にあつては当該建設業者、許可を受けようとする建設業を営む者にあつては当該建設業を営む者における五年以上の建設業の業務経験に限る。以下このロにおいて同じ。)を有する者、労務管理の業務経験を有する者及び業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等を直接に補佐する者としてそれぞれ置くものであること。
(1) 建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有し、かつ、五年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験を有する者
(2) 五年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有する者
 国土交通大臣がイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有すると認定したもの。

要件を満たす役員がいない場合

建設業の経営業務の管理責任者要件を満たす役員がいない場合は、30日以内に所管窓口に「届出書」と「廃業届」を提出します。この手続きを怠ると前任者が転籍先の会社で経営業務の管理責任者になる場合などに支障をきたし、経営業務の管理責任者の要件を欠いたとして、許可取り消しの処分となる可能性もあります。